「この地域に雪が積もらないのは、温泉があるからだ」
そんな言い伝えを信じたひとりの男がいた。
平成9年秋、県の許可を取り、温泉の掘削の準備に取りかかった。
油田用の掘削機で、工場の敷地の一角を、掘って掘って…。
500メートル掘っても、1000メートル掘ってもまだ出ない。それでも諦めずに闇雲に掘り進み、
平成10年9月、1300メートルまで掘り下げたとき、
「ウワァッ!出た出た!」「熱いぞ!」「温泉だ!」
歓声とともに、お湯が空高く噴き出した。男の熱い思いが、夢を叶えたのだ。
やっとの思いで掘り当てた温泉は、泉温が程良い47度。とてつもなく豊富な湯量。
源泉のお湯をそのままどんどん湯船に流し込み、あふれたお湯はそのまま流すという
「掛け流し」が可能な非常に素晴らしいものだった。
宝物を掘り当てた喜びと、地元の「宝木」という地名から「宝喜(ほうき)温泉」と名付けた。
さっそく工場の式との一角に施設を建てて夜間のみ開放したところ
「本当の意味での温泉の良さが味わえる」と大評判になった。
「もっと多くの方にこの素晴らしい温泉を味わっていただきたい」との思うから、
平成15年夏、「宝喜温泉館」の建設に踏み切った。
「沸かさない」「循環させない」「水で埋めない」たっぷりの湯量と程良い温度だからこそできる
全国でも数少ない源泉100%の薬湯温泉。
◆鷲峰山◆を望む素晴らしい眺め、ゆったりとくつろげる浴槽。
歩行湯、寝湯、うたせ湯などのリハビリ浴槽や身障者用浴槽などの充実した設備。
まさに温泉の醍醐味が存分に味わえる夢のパラダイス。
「宝喜温泉館」はうわさを信じて夢を叶えた男のロマンの結晶である。
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